ダーツのテイクバック|深さ・止める止めないと悩み別の直し方

テイクバックを浅くするか深くするか、引いたところで止めるか止めないか。上手な人ほど引き方がばらばらなので、何を真似ればいいのか迷いやすいところです。結論から言うと、引き方に1つの正解はなく、毎回同じに再現できる引き方を選ぶのが近道です。この記事では、テイクバックからフォロースルーまでを一続きの動きとして整理しました。引き方の選択肢ごとの向き不向きと、悩み別の直し方・練習ドリルも載せています。
持ち方や立ち方から確かめたい人は、はじめてのダーツの「投げ方」に要点をまとめています。
テイクバック・リリース・フォロースルーは一続きの動き
テイクバックとは、構えた位置から肘を支点にダーツを手前へ引く動きで、リリースの位置と向きを決める準備にあたります。 テイクバック、リリース、フォロースルーの3つは、肘を中心に腕が描く1本の弧の途中にあります。別々に覚えるより、1本の弧として見たほうが、崩れたときにどこが原因かをたどりやすくなります。

ソフトダーツとスティールダーツでは立つ位置の距離が違いますが、腕の使い方の考え方は共通です。距離の違いは「ボードと点数」で確かめられます。
DARTSLIVE 公式チャンネルが公開している、村松治樹選手のスローイング動画です。構えから手を伸ばして止めるまでを、肘を中心にした1本の弧として追ってみてください。
動画:【スローイング動画】ダーツライブオフィシャルプレイヤー村松治樹選手(DARTSLIVE Video公式YouTube)
テイクバックはリリースの位置を決める準備
テイクバックは、ダーツを速く飛ばすための助走ではなく、前へ戻す軌道をそろえるための準備です。引く位置と深さが毎回同じなら、腕が前へ戻る道筋も同じになり、指を離す位置もそろいやすくなります。 反対に、引く位置が1本ごとに数cmずれると、戻ってくる軌道も変わります。そのずれは、リリースで指を離す瞬間の小さな差となって、刺さる位置に表れます。 「調子が悪い日は何をしても入らない」と感じるときは、狙いより先にテイクバックの位置を疑ってみてください。どの位置・深さを選ぶかは、次の見出しの表で比べています。
リリースは指を同時に離す瞬間
リリースは、前へ戻ってきた腕からダーツを放す瞬間で、持っている指を同時に離すのが基本です。DARTSLIVE(ダーツライブ)公式の初心者向けページでも、どれかの指が遅れて離れるとダーツの飛び方が乱れる、と注意を促しています。 ただ、離す瞬間を意識で細かく操ろうとすると、かえって腕が固まりがちです。テイクバックの位置がそろうと、離す位置は結果としてそろってきます。リリースが安定しないときも、編集部はまず引く側から整えることをすすめています。
DARTSLIVE.TV の「グッドダーツ」で、宮脇実由選手が「親指で始まり 親指で終わる」をテーマに話している動画です。自分の投げ方では最後まで残る指がどれかを確かめるきっかけにしてください。
動画:【グッドダーツ】 宮脇 実由:親指で始まり 親指で終わる -シリーズ最新作は公式WEBとアプリで配信中!- #ダーツ #ダーツプロ #DARTSLIVETV(DARTSLIVE.TV公式YouTube)
フォロースルーはリリースの結果が見える場所
フォロースルーは、ダーツを放したあとに、狙った場所へ手を伸ばしたまま止める動きです。 フォロースルーで止まった手の向きを見ると、リリースが上下左右のどちらにずれたかが分かります。手のひらが上を向いて止まっていれば早く離した、指先が下を向いていれば遅く離した、と見当をつけます。 フォロースルーの形を毎回そろえることそのものは目的ではありません。手の向きを「リリースの答え合わせ」として使う、という位置づけで見てください。
一続きで見るとずれの原因をたどれる
刺さった位置とフォロースルーの向きから逆にたどると、どの動きで崩れたかの見当がつきます。たとえば、次のような連鎖がよく起きます。
- 引く位置がいつもより下がる
- 腕が下から持ち上がる軌道で前へ戻る
- 腕がまだ上向きに動いているうちに指が離れる
- ダーツが狙いより上に刺さり、フォロースルーの手も上を向いて止まる
この場合、直すべきはリリースではなく1番の引く位置です。結果に近い所ばかりいじっても戻らないときは、弧の手前へさかのぼってみてください。

引く位置・深さ・止める/止めない・速さの選び方
テイクバックの引き方は、どれが正解かではなく、あなたが毎回同じに再現できるもので選びます。迷う要素は「引く位置」「深さ」「止める・止めない」「速さ」の4つに分けられ、それぞれに向き不向きがあります。
| 軸 | 選択肢 | 特徴 | 向いている人 | 気をつける点 |
|---|---|---|---|---|
| 引く位置 | 目の前(狙いの線上) | 狙いと腕の軌道が重なる | 狙いを目で追いながら投げたい人 | 視界にダーツが入り、狙いが見えにくくなることがある |
| 引く位置 | 顔の横(頬・あごの横) | 視界が開き、ボードが見やすい | 狙いを最後まで見たい人 | 戻す軌道が狙いの線から外れやすい |
| 引く位置 | 目線より下 | 肩や首に力が入りにくい | 肘を高く上げるのが窮屈な人 | 戻すときに下から持ち上げる軌道になりやすい |
| 深さ | 浅い | 動きが小さく、ぶれる余地が少ない | 狙いの細かさを優先したい人 | 力が足りないと感じ、手首で補いやすい |
| 深さ | 深い | 少ない力でダーツが飛ぶ | 腕の振りで投げたい人 | 毎回同じ深さで止めにくく、引きすぎが起きやすい |
| 止める・止めない | 止める(タメを作る) | 引いた位置を確かめてから戻せる | 位置のばらつきを減らしたい人 | 止める時間が長いと腕に力が入る |
| 止める・止めない | 止めない(連続で戻す) | 一定のリズムで投げやすい | 考えすぎて腕が固まる人 | 位置がずれても気づきにくい |
| 速さ | ゆっくり引く | 引く途中で位置を確かめやすい | 位置が毎回変わる人 | 途中で止まり、戻す動きがぎこちなくなることがある |
| 速さ | 速く引く | リズムが出やすい | 投げるまでに迷いが出やすい人 | 深さがばらつきやすい |
表の要点は、引く位置は「狙いの線から外れるほど戻す軌道をそろえにくい」、深さと速さは「大きく速くなるほど再現が難しくなる」の2つです。
引く位置
引く位置は、狙いの線から外れるほど、前へ戻すときの軌道をそろえるのが難しくなります。目の前に引くと狙いと腕の軌道が重なるので、まっすぐ戻しやすくなります。ただ、ダーツが視界に入って狙いが見えにくい人もいます。 顔の横に引くと、ボードは見やすい反面、戻す途中で腕が狙いの線に乗るまでの距離が長くなります。テイクバックでダーツが顔や肩に当たる場合は、引く方向が体の内側へ寄っている可能性があります。 迷ったら、構えたときの「狙う場所・目・ダーツ」を結んだ線の上で、どこまで引いても狙いが見えるかを確かめてください。DARTSLIVE 公式も、構えではこの3点を一直線にそろえるよう案内しています。
深さ
深さは、浅い・深いのどちらにも利点があり、判断の基準は「同じ深さを10本続けて再現できるか」です。浅いテイクバックは動きが小さいので、ぶれる余地も少なくなります。そのかわり、飛ばす力が足りないと感じて手首を強く返してしまう人がいます。 深いテイクバックは、少ない力でダーツが飛ぶ感覚を得やすい引き方です。ただし、どこで止めるかの目印を持ちにくく、調子が悪い日ほど深くなる「引きすぎ」が起きがちです。 今の深さで10本投げ、引いた位置が毎回同じか自撮りで確かめてみてください。ばらつくなら、1段浅くして同じことを試します。
止める・止めない
テイクバックを止めるか止めないかは、あなたの崩れ方に合わせて選びます。引いた位置で一瞬止める(タメを作る)と、位置を確かめてから前へ戻せるので、位置のばらつきは減らしやすくなります。止める時間が長くなると、腕に力が入って戻す動きが重くなる点には気をつけてください。 止めずに連続で戻す引き方は、一定のリズムで投げやすいのが利点です。考えすぎて腕が固まる人に合いやすい反面、引く位置がずれても本人が気づきにくくなります。 ほとんど引かずに投げる「テイクバックなし」の投げ方もあります。引く動きを小さくして、ずれる要素を減らす考え方です。
速さ
テイクバックの速さは、引く速さと前へ戻す速さを分けて考えます。ゆっくり引くと、引く途中で位置を確かめられます。位置が毎回変わる人は、まず引く速さだけを落としてみてください。 速く引くとリズムは出ますが、勢いで深さがばらつきやすくなります。前へ戻す速さまで一緒に落とすと、ダーツが届かず手首で押し込む動きにつながることがあります。引くときはゆっくり、戻すときはいつもの速さ、と分けて試すのが1つの方法です。
DARTSLIVE.TV の「グッドダーツ」で、山形明人選手が「リズム良く」と「手首の使い方」をテーマに話している動画です。引く速さと戻す速さを分けて試すときに、自分のリズムと比べてみてください。
動画:【山形 明人:「リズム良く」&「手首の使い方」】シリーズ最新作は公式WEBとアプリで配信中! 【グッドダーツ】#ダーツ #ダーツプロ #DARTSLIVETV(DARTSLIVE.TV公式YouTube)
悩み別の原因と直し方
テイクバックまわりの悩みは、刺さった位置とフォロースルーの向きから、どこで崩れたかを先に決めると直しやすくなります。よくある4つの悩みを、考えられる原因と直し方にまとめました。
| 悩み | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 引きすぎる | 深さの目印がない/力を出そうとして引く/肘が下がる | 引く位置の目印を決める/1段浅くして10本投げる/止めて確かめるドリル |
| 引くたびに位置が変わる | 構えの位置が毎回違う/引く途中で手首が動く/速く引いている | 構えを先にそろえる/手首の角度を構えで決める/ゆっくり引いて一瞬止める |
| リリースが早い・遅い | 引く位置のずれ/指が同時に離れない/腕の力み | フォロースルーで止めて手の向きを見る/離す瞬間を意識しすぎない |
| フォロースルーで腕が流れる | 肘が横に開く/上半身が回る/狙いと違う方向へ押している | 狙った場所へ手を伸ばして2秒止める/上半身を動かさずに投げる |
上に抜けるときは離すのが早い可能性、下に刺さるときは離すのが遅い可能性を、まず考えてみてください。
入門向けの直し方は、はじめてのダーツの「投げ方」にある「うまく飛ばないときの直し方」にもまとめています。
引きすぎてしまう
テイクバックの引きすぎは、深さの目印がないまま、力を出そうとして引くと起きやすくなります。疲れてきた後半や、大事な1本の前になると深くなる、という人もいます。肘が下がると手首も一緒に後ろへ倒れ、引きすぎに気づきにくくなります。 直すには、まず引く位置の目印を1つ決めます。「ダーツの先端が目線の高さまで」「グリップしている手があごの横に来るまで」など、自分の顔を基準にすると毎回そろえやすくなります。 目印を決めたら、今より1段浅いところで10本投げ、飛びが足りるかを確かめます。足りないと感じても、手首で押し込まず、前へ戻す腕の速さで調整してください。
引くたびに位置が変わる
引く位置が1本ごとに変わるときは、テイクバックそのものより、その手前の構えがそろっていないことがよくあります。構えの高さが違えば、同じ深さで引いても到着する位置は変わります。 引く途中で手首が前後に動く場合もあります。構えの段階で手首の角度を決め、引くあいだは手首の角度を変えないつもりで肘から先を動かしてください。DARTSLIVE 公式は、引くときに手のひらが上を向く形を、手首をこわばらせないためのポイントとして紹介しています。 速く引くほど位置は散らばるので、ゆっくり引いて一瞬止め、位置を目で確かめてから戻す練習が合います。テイクバックでダーツが顔や肩に当たる人も、構えの位置と引く方向を見直すとおさまることがあります。
リリースが早い・遅い
ダーツが上に抜けるときは離すのが早い、下に刺さるときは離すのが遅い可能性があります。腕は肘を中心に弧を描いて動くので、早く離すとダーツは上向きに、遅く離すと下向きに飛び出しやすくなるためです。
指が同時に離れず、1本の指が残ってダーツが引っかかる場合は、左右にもぶれます。持ち方の基本は DARTSLIVE 公式の「持ち方」ページでも確かめられます。 直すときは、離す瞬間を意識して操ろうとしないでください。フォロースルーで手を止め、手の向きを見て「早かった」「遅かった」を確かめるだけにします。そのうえで、テイクバックの位置がずれていないかへさかのぼると、リリースも一緒に落ち着くことが多いです。
フォロースルーで腕が流れる
フォロースルーで腕が横に流れるときは、前へ戻す途中で肘が外へ開いているか、上半身が回っている可能性があります。腕が下へ振り下ろされる「チョップ」のような形になるときは、狙いより下へ押し込む力が加わっています。 直し方は、狙った場所へ手を伸ばし、その位置で2秒止めることです。止めた手がボードのどこを指しているかを見ると、腕の流れた向きが分かります。 上半身が回る人は、投げ終わるまで肩の向きを変えないつもりで投げてみてください。立ち方そのものを見直したい場合は、DARTSLIVE 公式の「立ち方」ページにあるスタンスの説明も参考になります。
スタンスやグリップまで含めて見直したい場合は、ダーツのフォームの見直し方へ進んでください。
自撮りで確かめるチェックリスト
テイクバックは、自分の感覚と実際の動きがずれやすい動作です。横と正面から動画を撮り、スロー再生で確かめてください。次の手順で撮ると、比べやすい動画になります。
- スマートフォンを、投げる腕の真横(肘の高さ)と、ボード側の斜め前の2か所に置く
- 同じ狙い(ブルなど)に3本×3ラウンド、計9本を撮る
- 横からの動画で、引いた位置が9本とも同じ高さ・同じ深さか見る
- 横からの動画で、肘の位置が引くときと戻すときで大きく動いていないか見る
- 正面からの動画で、引く方向が狙いの線から外れていないか見る
- フォロースルーで止めた手の向きと、刺さった位置の関係を見る

1回の撮影で直すのは1項目だけにします。いくつも同時に変えると、どれが効いたのか分からなくなるからです。お店で撮るときは、ほかのお客さんが映らない向きにし、撮影してよいかをお店のスタッフに確かめてください。
テイクバックを固める練習ドリル
ドリルは、1回の練習で1つの悩みに1つだけ選ぶと、変化を確かめやすくなります。どれもマシンのカウントアップや練習モードで、狙いをブルに固定して行えます。回数や秒数は目安なので、疲れて腕に力が入ってきたら切り上げてください。
位置と深さをそろえるドリル
引く位置と深さをそろえたい人には、次の3つが合います。
- 止めて確かめるドリル:引いた位置で1秒止め、目印の位置に来ているかを確かめてから投げます。ブルを狙って3本×5ラウンド続けます。
- 目印ドリル:「ダーツの先端が目線の高さ」など目印を1つ決め、目印より深く引いたら投げずに構え直します。引きすぎる人に向きます。
- テイクバックだけの素振り:ダーツを持って構え、引いて戻すところまでを10回繰り返します。投げずに行うので、位置の確認だけに集中できます。
止めて確かめるドリルは、止める引き方を選ばない人にも使えます。位置がそろってきたら、止める時間を少しずつ短くし、いつもの引き方に戻してください。
リリースとフォロースルーをそろえるドリル
リリースとフォロースルーをそろえたい人は、フォロースルーで止める練習から始めます。
- 2秒止めるドリル:投げたあと、狙った場所へ手を伸ばしたまま2秒止めます。止めた手の向きと刺さった位置を、1本ごとに見比べます。
- 手の向きメモ:ブルを狙って3本×3ラウンド投げ、上に外れた本数と下に外れた本数をメモします。上が多ければ早め、下が多ければ遅めに離している可能性があります。
フォロースルーで止めると、リリースを直接いじらずに、離すタイミングの傾向をつかめます。傾向が分かったら、テイクバックの位置がずれていないかへさかのぼって確かめてください。
変化はカウントアップとスタッツで確かめる
テイクバックを変えた効果は、1日の調子ではなく、数日分のカウントアップとスタッツ(試合の平均成績)で確かめます。引き方を変えた直後は、慣れないぶん数字が一時的に下がることもあります。 カウントアップは8ラウンド24投の合計点を競うゲームなので、同じ条件で比べやすい練習です(カウントアップ)。ゼロワンの80%スタッツやクリケットのMPR(1ラウンドあたりのマーク数)の見方は「スタッツとレベル」にまとめています。 数字と一緒に、3本の散らばり(グルーピング)が上下に広いのか、左右に広いのかもメモしておくと、次に直す場所が決まります。今のスタッツがどのレーティングに当たるかは、レベル表で確かめられます。
フォーム全体の見直しは別の記事で
テイクバックを直しても飛びが変わらないときは、スタンスやグリップ、目線といった腕より前の段階を疑ってみてください。フォーム全体を順に見直す手順は、この記事では扱わず、別の記事にまとめています。 スタンスや目線から順に見直す手順は、ダーツのフォームの見直し方を読んでください。バレルの重さや形を見直したい場合は、はじめてのダーツの「道具」にある選び方が入口になります。
自分のレベルで出られる大会で試す
練習でそろってきたテイクバックは、試合の緊張の中でも同じに再現できるかを、大会で確かめてみてください。大事な1本の前ほど引きすぎる人は、試合に出ると自分の癖がはっきり見えます。 DARTSLIVE のレーティングでは、Rt6とRt7はBフライト(大会のクラス分け)にあたります。ダーツ名鑑のレベル表で、2026年11月2日に確認したダーツライブ公式の基準を載せています。基準は変更される場合があります。
Bフライトで出られる大会は、大会一覧のフライト別の絞り込みで探せます。お店のハウストーナメントから大きな大会まで掲載しているので、近い日程のものを1つ選び、練習してきた引き方で投げてみてください。
よくある質問
出典・参考にした公式情報
練習方法は一般的なもので、合う・合わないには個人差があります。



